大欅の向こう側から出てきた2頭。
先頭サニーブライアンと二番手がフジヤマビザンか。
人気どころはまだ後方。
「あっ」と一瞬思った。直線の坂を駆け上がり、我々の目の前に姿を表したとき、サニーブライアンは後続を一気に突き放していたのだ。
後続を引き離してサニーブライアンが先頭。
ゴール前200mを切ったとき、サニーブライアンは後続を3馬身以上ちぎっていた。これはもしかしたら「逃げ切る?」。我々の「逃げろ!」の歓声に、まわりの大多数から「差せ!」の悲鳴が返される。
逃げるサニーブライアン!
外から襲いかかるシルクジャスティス!
外からはシルクジャスティスが追い込んでいた。メジロブライトは脚色が悪い。ゴール地点はここから直接は見えないので、ゴールへと向かうのをターフビジョンで見守る。ここからゴールまでの10秒はとても長かった。そしてゴール。大西騎手の鞭がうなってるのが見える。
サニーブライアンだ!
サニーブライアン逃げ切り。
なんとサニーブライアンは、皐月賞に続きダービーまで逃げ切ってしまったのだ。正直言って血の気が体から引く感触がわかった。応援馬サニーブライアン、皐月賞馬なのに人気のないサニーブライアン。そうか、勝つかぁ。