峠の釜めし


 日本に数多くある駅弁の中でも、横川駅で売られている「おぎのや 峠の釜めし」はとても有名です。
 機関車の接続や切り離し時間を利用して、ホームで多くの販売員さんたちがワゴンを押して、次々に売っていきます。乗客は碓氷峠の車窓風景を楽しみながら、あつあつの釜飯を食べるのが楽しみなのです。



 

 おぎのやの販売員さんたちは、みんなとても親切でした。なかには(TV朝日のニュースステーションによると)高校を中退しスカウトされて、長年にわたり販売員として働いてきた方もいるそうです。
 いままで大勢いたこの販売員さんたちも、新幹線が開通するとほとんどがそちらに移るそうです。10月以降はこの賑やかな風景がなくなるなんて、とても残念ですね。秋からはこのホームには、わずか2人しか立たなくなるそうです。
 私たちの列車がホームを出発したとき、販売員さんたちは全員が帽子をとり、釜めしのお礼と旅の無事を祈って、丁寧にお辞儀をしてくれました。


 1つ900円の釜めしは、益子焼の釜にアツアツの味飯が詰まり、その上に鶏肉・栗・ごぼうなど山の幸里の幸がのり、その重さはずっしりと1キロにもなります。
 1958年に発売された「峠の釜めし」は、昨年12月までに1億個が売れたそうです。


 おぎのやさんのご好意で、ホームにある販売店の中に入らせていただきました。気分は販売員です。
 二人並んだこの写真は、親切な販売員さんが撮影してくれました。


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