前売り入場券と去年の想い出


 今のスポーツ話題と言えば、どうしてもサッカーワールドカップである。一日にテレビでこの話題に触れないことはないくらい、日本代表に対しての報道は盛んである。もちろん日本人として、私も応援したい気持ちには変わりない。

 しかし府中の欅の緑が深くなれば、やはりあの大レースの季節であろう。そう日本ダービー。どんなに体調が悪くても、それは私にとってとても大事なレースのようである。
 実は数年前から、実施時期が5月最終日曜日から6月の第一日曜日へと一週間繰り下がった。特に今年は6月1日が月曜日なので、7日とだいぶ遅い実施だ。春からずっと季節が早く到来していることもあって、気の早い私にはまだダービーは来ないのか、という感すら沸いてくるのである。

 そんな折り、5月23日、いつものようにダービーの前売り入場券を購入に東京競馬場へ足を運んだ。最近は体調やPATの影響でしばらく遠のいていたが、やはりここに来ないと始まらない。そしていつものように入場券を購入した。もちろん今年のデザインは「サニーブライアン」である。

 今でも、昨年のあの強い見事なレースがすぐ頭に浮かぶ。残念ながらサニーブライアンは骨折で長期休養、その後調教を開始するも不治の病、屈腱炎を発症して引退となってしまった。
ダービー9着のサイレンススズカが重賞を連勝し、7着だったマチカネフクキタルは菊花賞馬である。2着だったシルクジャスティスが有馬記念を制し、そして3着のメジロブライトがこの春天皇賞を制した。これらの馬は宝塚記念、あるいは秋のGIシリーズを賑わすことだろう。
 もしサニーブライアンが引退せず、無事に現役を続けていたら。きっとこれらのレースをもっと盛り上げてくれたに違いない。それを考えると、やはり残念でならない。

 幸いにして、サニーブライアンはこの春の種付けシーズンに間に合ったようだ。順調にいけば来年には産駒が誕生し、3年後にはデビューする。果たして4年後、このレポートに彼の産駒たちのことを書けるだろうか。そんなことも頭の片隅におきながら、今年の第65回のダービーに向かってみたいと思う。

 入場券を購入した日、久々に一日競馬場で競馬を楽しんだ。上の画像はその時の第8レース「ロビン賞」、ダービーと同じ芝・2400mの発走地点である。昨年はシルクライトニングが、ここまで駒を進めながら発走除外となるハプニングがあった。今年は無事に18頭がスタートできるだろうか。



次のページへ   もくじのページに戻る