逃げろ!サニーブライアン〜怪鳥の応援馬〜


想い出の10年前のダービー

 1987年、映画「優駿」の撮影スタッフも多く詰めかける中、54頭目のダービー馬にメリーナイス号が輝いた。実はこのダービーで、誰も名を知らないような馬が4コーナーで先頭に立っていた。ゴール前でその馬は、圧勝したメリーナイスから6馬身も離されてはいたが、なんと2着に粘りこんだ。

 その馬の名は「サニースワロー」。鞍上はあの「大西騎手」であった。このダービーを目の当たりに見て驚いた怪鳥は、翌年、この馬の妹「サニースイフト」の姿を見つけ、応援したものである。サニースイフトは大きなレースこそ出られなかったが、条件戦で健闘していた。

ペーパーオーナーゲーム

 時は移って昨年。競馬ファンではペーパーオーナーゲーム(POG)が大流行となっていた。要はデビュー前、あるいはデビュー間もない3歳馬の将来を見越して、勝手に自分の馬にしてゲームを楽しもうというものである。競馬歴こそ長い怪鳥であったが、POGはまだ経験がなかった。昨年、上司に誘われた怪鳥は、POGに取り込もうと3歳馬のリストを見ていて、母馬の中にあの「サニースイフト」を見つけたのだった。

 その3歳馬の名は「サニーブライアン」。名前からもわかるとおり、父はあのナリタブライアンや、マヤノトップガンと同じブライアンズタイム。母の兄サニースワローがダービーで好走したことを考えると、この馬は4歳クラシックには向いているような気がした。そしてこの馬を選び、WebPOGと、愛読誌「週刊ファンファーレ」に登録したのだった。

 サニーブライアンはデビュー戦こそ勝ったが、これと言ったぱっとした走りも見せることなく、地味に皐月賞出走の権利をとった。直前のレースでも負け、実績も人気もなかったが、初めてペーパーオーナーで持った馬がクラシックレース「皐月賞」に出られるだけで怪鳥は嬉しかった。

なんと皐月賞制覇

 そして皐月賞。鞍上もあのサニースワローと同じ大西騎手。当然、サニーブライアンの単勝・複勝・馬連総流しの馬券を買ってテレビ観戦をしていた。レースのペースをつかみ、4コーナーで後続を引き離す。「充分楽しめた。」そう口に出しながらも、後から馬が追ってこない。残り100mでは「これは勝った!」。

 最後はシルクライトニングにクビ差まで詰められたものの、大番狂わせのゴールであった。馬券で得た臨時収入も大きかったが、それ以上に3歳から目を付けていた馬がクラシックレースを勝ったことが嬉しかった。

 ・・・そんな皐月賞に続く牡馬クラシックレース第2弾、あの日本ダービー。「皐月賞は展開に恵まれた」そんな低い評価があろうと、やっぱり怪鳥はこの馬を応援したい。グリーンチャンネルの調教VTRを見る限り、調教の動きだけは出走18頭中、一番。人には奨められないけど、またサニーブライアンの単・複・連で勝負しようと思う前日の怪鳥であった。奇しくも皐月賞と同じ大外18番枠。3〜4コーナーの大欅の向こうで大差を付けて逃げ、直線あと400mまでもっていたら、それで楽しめるかなと。

 サニーブライアンへの思い入れを抜きにすると、シルクジャスティスが皐月賞の前日のレースを勝った時に、「ダービーはこの馬」と決めていた(まさかサニーブライアンが皐月賞を勝つとは思ってなかったし)。藤田騎手は昨年の優勝騎手で、ダービー史上初の連覇もあるかもしれない。

 いずれにしても、明日の15:30にはファンファーレがなり、18頭の戦いが繰り広げられる。わずか2分半弱の間に、今年はどんなドラマが生まれるのか。人混みに混じって見届けたい。

我が部屋の風景

左はファンファーレ誌のペーパーオーナーに抽選で送られた皐月賞ゴールパネル。

右にはJRAカレンダーで、昨年の優勝馬フサイチコンコルド。



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